2006年10月17日(火)
ありがとう
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| | 混み合う地下鉄の中。 吊り革につかまりぼんやりしていたら 乗客たちがざわりざわりと降りていきました。 私が降りるのは4駅先。 席も空いたし、少しの間でも座っちゃおう。
隣には老夫婦が腰掛けていました。 ちいさなおばあさんは私の方に顔を向けたまま、 なんとなくふてくされている様子。 その隣にいらっしゃるおじいさんは、手に杖を持ち、 顎に長いひげを蓄えてベレー帽をかぶっています。 紳士然として腰かける表情はのっぺりしていたんだけど、 「は!」と突然なにかに気づいたような顔をすると ツンツン、とおばあさんの肩をつつき一言 「ありがとう」 と言いました。
私は地下鉄の窓ごしに様子を見続けます。
おばあさんはその言葉を聞いても「へっ」ってな感じで まだそっぽを向いている。 それでもおじいさんはもう一度ツンツン、と肩をつついて 「ね、ありがとうね!」 と少しにこやかに言いました。 「うるさいわ。まーええって」 とおばあさんは相変わらず素っ気無い。
今度は「ねぇねぇ」と笑いながらおばあさんの肩をぐっとつかんで 「あ・り・が・と・う」と大きな声で、おじいさん。 おばあさんも少しだけ笑いながら 「まーえーて!(もういいわよ)」と答えてたっけ(笑)。
その後はふたりで「ひっひっひ」と肩を揺らしながら笑って、 「いかんいかん、おりないかん」とおばあさんがすっくと立ち上がり、 杖ごとおじいさんをひっぱって、ぐいぐいと降りていきました。
うしゃうしゃと笑い続けるおじいさんと、 まだ少し怒った顔をしていたおばあさん。
おかげで私の足取りも少しだけ軽くなりました。たったかた〜。 ありがとう♪
No.437 |
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